
特殊詐欺やSNS型投資詐欺の被害は、令和8年上半期時点で前年同期を大きく上回り深刻化しています。
本記事では警察庁が公開した最新レポートを基に、被害状況と警戒すべきポイントをまとめました。
特に「金地金をだまし取る特殊詐欺」や「SNS型投資詐欺」が多発しており、それぞれの手口や対策を解説します。
出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
※ 令和8年から、SNS型投資詐欺・SNS型ロマンス詐欺は「特殊詐欺」の一手口として集計されるようになりました(「ニセ警察詐欺」も独立した手口に)。
本記事の「特殊詐欺」はこの新しい区分に基づく数値です。
令和7年以前の数値は従来の区分のため、単純比較の際はご注意ください。
詐欺の被害状況まとめ(令和8年上半期)
令和8年上半期における詐欺被害は、前年同期を大きく上回りました。
警察が把握した詐欺の認知件数は22,031件(前年同時期比 3,408件増、18.3%増)、被害総額は1,816.2億円(同618.8億円増、51.7%増)にのぼり、総被害は前年同時期の約1.5倍となっています。
なかでも、SNS型投資詐欺の被害額は797.9億円(同444.9億円増)、ニセ警察詐欺の総被害額は507.9億円(同108.9億円増)と、大幅に増加しました。
主な被害状況は次のとおりです。
<主な被害状況>
<特殊詐欺の主な手口>
特殊詐欺の被害状況
令和8年上半期における特殊詐欺の被害総額は1,816.2億円にのぼり、前年同期を大きく上回りました。1日当たりの被害額は10.0億円となり、過去最悪の状況となっています。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
手口別被害額の割合では、SNS型投資詐欺が43.9%と最も高く、ニセ警察詐欺が28.0%、SNS型ロマンス詐欺が13.6%で続いています。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
特殊詐欺の特徴
特殊詐欺は被害額、認知件数ともに60代が最多となっています。
被害は幅広い世代に及んでいますが、被害額の割合を見ると50代以上が全体の約8割を占めており、一定の資産を持つ中高年層ほど被害額が大きくなる傾向があります。
また、従来の手口に加え、SNSを入口とする「SNS型投資詐欺」の被害が前年同期比で急増しています。
犯行に使われる電話番号は国際電話番号が最も多く、件数は28,991件でした。一方で、近年は犯行に使われる電話番号の総数が減少しています。


出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
※「特殊詐欺の犯行に利用された電話番号数」として、都道府県から警察庁に報告された電話番号を集計(未遂・相談事案を含む。)
都道府県から報告された電話番号が重複する場合、1件として計上。
ただし、月をまたいで同一番号の報告があった場合は、各月1件として計上
だまし取られたお金の受け渡し方法
だまし取られた金銭は、次のような方法で受け渡されています。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
振込型は被害全体の5割以上を占めており、依然として指定口座へ振り込ませる手口が主流です。
また、犯人グループの「受け子」が自宅を訪れて現金を受け取る、現金手交(手渡し)型の被害も増加しています。
暗号資産送信型が全体に占める割合は22.6%と増加傾向にあります。
暗号資産を利用したことがない人でも、犯人からアカウントの作成や送金の手順を細かく指示され、被害にあうケースが発生しています。
ニセ警察詐欺の被害状況
特殊詐欺の中でも、警察官を装うニセ警察詐欺は被害額が507.9億円でした。
認知件数は4,466件(296件減)と減少している一方で、被害額は増加しており、被害1件当たりの平均被害額は約1,163万円です。
特殊詐欺全体の被害1件当たりの平均被害額の平均被害額約840.0万円と比べても、非常に高額であることが分かります。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
70代の被害が最も多く、最初の接触手段の9割以上が「電話」です。そのうち50代以下では携帯電話、60代以上では固定電話による接触が半数以上となっています。
主な被害金の受け渡し方法としては、相手と直接会うことなく、指定された銀行口座へ振り込ませる手口が主流です。また、暗号資産を指定された口座へ送金させる「暗号資産送信型」の被害件数も増加しています。
SNS型投資詐欺の被害状況
SNSを通じて投資名目で金銭をだまし取る「SNS型投資詐欺」はすべての手口の中で最も被害額が大きく、令和8年上半期の被害額は797.9億円、認知件数は5,893件でした。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
年代別の傾向として被害額は60代が最多ですが、20代から50代の層も被害額全体の約4割、認知件数では約6割を占めており若い世代も被害が広がっています。
接触手段は「バナー等広告」を入り口とするケースが最も多く、広告経由の被害額は前年同期比で252.5%も増加しています。
接触ツールとしては、被害額・認知件数ともにInstagramやX(旧Twitter)経由の被害が増加傾向です。
「スマートフォンだけで月数十万円稼げる」「絶対に儲かる投資法」といったキャッチコピーを掲載したものや、著名人や実業家の写真・動画を無断利用した偽広告から、LINEの投資グループなどへ誘導される手口が典型です。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
SNS型ロマンス詐欺の被害状況
SNSを通じて恋愛感情や親近感を抱かせたうえで金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」の被害も深刻です。令和8年上半期の被害額は246.6億円、認知件数は2,509件でした。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
年代別の傾向として40代から60代の被害が全体の約8割を占めていますが、近年は70代の被害も増加しています。
最初の接触手段はダイレクトメッセージ(DM)が約9割を占めています。
利用されるツールは、被害額・認知件数ともにマッチングアプリが最多で、次いで被害額ではFacebook、認知件数ではInstagramが多くなっています。
その他の注意が必要な詐欺の被害状況
前述で説明したもの以外にも被害が拡大している詐欺が複数確認されています。
以下でそれらの手口や被害状況を説明します。
金地金をだまし取る詐欺の被害状況
「金の延べ棒」などを指す金地金(きんじがね)を悪用した詐欺のうち、約7割はニセ警察詐欺によるものです。
令和8年上半期での被害額は81.3億円、認知件数は155件でした。
被害額はすでに令和7年通年の60.2億円を上回っており、被害が急速に拡大していることが分かります。

※SNS型投資詐欺及びSNS型ロマンス詐欺の金地金被害については令和8年から集計
出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
また、65歳以上の被害が約9割を占めています。「金融調査のため、貴金属取扱業者で金を購入してください」「守秘義務があるため、購入目的は資産運用と説明してください」などと指示され、その内容を信じて金地金を購入し、そのままだまし取られる被害が相次いでいます。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
ニセ社長詐欺の被害状況
詐欺師が企業や組織の社長、役員などを装い、従業員や取引先に偽のメールや電話で送金を指示する「ニセ社長詐欺」にも警戒が必要です。
令和8年度上半期の被害額は38.8億円、認知件数は127件でした。法人を狙った詐欺であるため、1件当たりの被害額が高額になりやすい傾向があります。

出典:警察庁|令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
詐欺被害にあわないための対策
詐欺被害にあわないために、以下の対策を確認しましょう。
特殊詐欺への対策
多くの特殊詐欺は、手口の傾向や特徴があるため事前その傾向を知っておくことが大切です。
また、特殊詐欺の犯行には国際電話が多く利用されているため、まずは国際電話の着信を拒否してみましょう。
固定電話と携帯電話は、それぞれ以下の方法で国際電話の着信を拒否できます。
特殊詐欺への対策をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】
TrendLife | 特殊詐欺の被害を防ぐ対策!よく使われる手口や被害状況も解説
ニセ警察詐欺への対策
犯人は偽物の制服や警察手帳を使い、ビデオ通話越しに自らを警察官と信じ込ませようとします。
警察官を名乗る人物から「捜査対象になっている」などと言われたときは、詐欺を疑いすぐに通話を終了させましょう。
詐欺師からは電話中に誰にも相談しないよう言われることが多いですが、通話を切った後は迷わず警察相談専用電話(#9110)へ相談しましょう。
本物の警察かどうかを見分けるポイントとして、以下を参考にしてください。
【参考情報】
警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ | 「ニセ警察詐欺に注意!#ニセ警察詐欺」
さらに詳しい対策は、以下も参考にしましょう。
【関連記事】
TrendLife | 警察をかたる電話は本物?ニセ警察詐欺の見分け方と対処法
SNS型投資詐欺への対策
前述のとおり被害が急増しているSNS型投資詐欺にだまされないためには、以下のような点に注意しましょう。
SNS型投資詐欺への対策についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】
TrendLife | SNS型投資詐欺とは?手口や事例、気をつけるポイントを解説
SNS型ロマンス詐欺への対策
アプリ内で知り合った相手と親密になった後、儲け話を持ちかけられたり、金銭を要求された場合は、詐欺を疑いましょう。
SNS型ロマンス詐欺の具体的な手口や見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】
TrendLife | 恋愛感情につけ込むロマンス詐欺に注意しましょう
家族の情報を詐欺から守るために
本記事で紹介したとおり、電話やSNSの広告、ダイレクトメッセージなど、詐欺の入り口は多様化しており、一人で全てを見抜くことは簡単ではありません。
トレンドマイクロの38年以上にわたる脅威インテリジェンスを活用したKaleidaは、詐欺に備える機能を提供しています。
- 詐欺対策:詐欺電話※やあやしいメッセージ、詐欺サイトへのリンクを自動でブロックします。
- ダークウェブの検知:メールアドレスやパスワード、クレジットカード番号などの個人情報が流出していないか、ダークウェブを見張ります。
- ファミリーサークル:家族の誰かが詐欺に狙われたり、個人情報が流出したりすると、すぐに知らせます。
※ 一部の国・地域でのみ利用可能です。

Kaleidaの詳細はこちらをご確認ください。
詐欺対策を日ごろから心がけましょう
特殊詐欺やSNSを悪用した詐欺は、手口が年々巧妙化しており、被害規模も大幅に拡大しています。
本記事で紹介した最新の被害状況や手口の傾向を参考にしながら、日ごろから詐欺対策を心がけましょう。
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