
子どもが宿題や調べものに生成AIを使う場面が増えたことで、思考力が低下するリスクに不安を感じる保護者は少なくありません。一方で、AIを使わせないという選択も現実的ではなくなってきています。
本記事では、子どもの生成AI利用について現在わかっていることを公的な調査から整理し、家庭で気をつけたいことを解説します。
※本記事は2026年9月時点の情報を基に作成しています。
子どものAI利用は広がっている
こども家庭庁の「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、生成AI(ChatGPT、Copilot、Gemini 等)を利用していると回答した割合は高校生が46.2%と最も多く、中学生は30.8%、小学生は8.6%でした。
なお、生成AIのサービス普及に伴って、本調査の実施期間(2025年11月~12月)以降、現在はさらに利用者の割合が高まっている可能性があります。
【参考】こども家庭庁|令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)
AIで子どもの思考力は低下するのか
生成AIの利用によって、子どもの思考力が低下することを示した国内の公的な調査は現時点ではありません。生成AIは登場からの期間が短く、子どもの思考力への長期的な影響を追跡した調査結果が出ていないためです。
ただし、生成AIの使い方次第で学習効果につながりにくいという指摘は、国の指針の中でもされており、文部科学省もこの観点から利用の適否を見極める考え方を示しています(後述)。これは「思考力が低下する」という直接的な指摘ではなく、使い方次第で学びへの効果に差が出るという観点からのものです。
子どもの生成AI利用の全てを否定する必要はないですが、使い方には注意が必要というのが現状です。
カギになるのは、答えを聞く前に考えているかどうか
たとえば計算問題で、答えだけを聞くと、解き方は身につかず正解だけを得てしまいます。テストで似た問題が出たときに解けない、というケースが想定されます。
一方で、答えを聞く前に自分なりに考えてから質問すれば、生成AIに問いかける過程そのものにも思考力を使うことになります。何を聞くべきかを決め、返ってきた答えが適切かを確かめる工程では、課題を設定する力や検証する力が養われます。
同じ生成AIを使っていても、自分で考える前にいきなり答えを求めるのか、まず自分なりに考えてから使うのかで、子どもの思考力への影響は大きく異なると考えられます。
文部科学省が示している考え方
令和6年12月26日に文部科学省から公表された「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」では、生成AIへの向き合い方について次のように示しています。
生成 AI と人間との関係を対立的に捉えたり、必要以上に不安に思ったりするのではなく、生成 AI は使い方によって人間の能力を補助、拡張し、可能性を広げてくれる有用な道具にもなり得るものと捉えるべきである。
その上で、生成 AI の出力はあくまでも「参考の一つである」「最適解とは限らない」ことを認識するとともに、リスクや懸念を踏まえつつ、最後は人間が判断し、生成 AI の出力結果を踏まえた成果物に自ら責任を持つという基本姿勢が重要である。
さらに、生成AIに答えを丸ごと任せるのではなく、「自分で考えることの重要性」を子ども自身が理解していることが重要だとされています。また、生成AIの回答をきっかけに学習内容をより深く理解し、思考力を伸ばすような使い方ができているかどうかも、大事な観点として挙げられています。
【参考】文部科学省|初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)
家庭で気をつけたいこと
家庭でできることは、生成AIを取り上げることではありません。使い方にひと工夫加えることです。ここでは具体例を2つ紹介します。
答えを聞く前に、自分の考えを言葉にしてもらう
生成AIに聞く前に「あなたはどう思う?」と尋ねることで、子ども自身に考える機会が残ります。その後、答え合わせとして生成AIを使うことで、自分の考えとその答えを比べる作業が生まれ、学びを深めることができます。
短くても、自分の考えを口に出してから生成AIに向かう習慣を子どもが身につけられるようにしましょう。
AIの答えが正しいか、一緒に確かめる
生成AIは事実と異なる内容を、もっともらしい文章で出すことがあります。調べものに使ったときは、親子で公的機関のサイトや教科書と照らし合わせて確かめる習慣をつけることが大切です。
確かめる作業そのものが、情報を見極める力を育てます。文部科学省のガイドラインでも、出力は「参考の一つ」であると認識することの重要性が示されています。
【参考】文部科学省|初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)
子どもと使うなら、AIサービスの設計も確認しましょう
家庭での声かけとあわせて、AIサービス自体の設計にも目を向けたいところです。答えを返すだけの設計か、考えるきっかけを残す設計かで、日々の使い方は変わってきます。
トレンドマイクロのファミリーAI「Kaleida(カレイダ)」には、子ども向けの機能「ラーニングバディ」があります。子どもが質問すると、ただ答えを教えるのではなく、もう一歩考えるための問いかけができます。
また、子どもがどんな使い方をしているかを保護者が把握できることも安心材料になります。Kaleidaでは、保護者は毎週のレポートで、子どもの様子を見守れます。

Kaleida について詳しくは、こちらをご確認ください。
AIとの付き合い方を、家庭で考えてみましょう
生成AIは、子どもの学びを深める道具にもなれば、考える機会を減らす使い方にもなります。
そのため、どう使うかを一緒に考えることが大切です。答えを聞く前に自分の考えを言葉にできているか、生成AIの答えを鵜呑みにせず確かめられているか。家庭のなかで少しずつ話しながら、生成AIとのちょうど良い距離感を育てましょう。
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