
「あなたの個人情報が流出しました」
企業や自治体からこんな通知が届いたら、どうすればいいのでしょうか。個人情報の流出は、銀行口座の不正利用、特殊詐欺の被害に直結することもあります。
近年、流出した個人情報が犯罪に悪用されるケースが急増しています。本記事では、個人情報が流出するとどうなるのか、流出した情報がどのように詐欺に使われるのか、流出してしまった際の対処法を解説します。
個人情報とは何が含まれる?
”個人情報保護法”では”個人情報”を以下のように定義しています。
『個人情報保護法において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できる情報をいいます。これには、他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものも含まれます。』
引用元:政府広報オンライン

例えば、名前、生年月日、性別、住所、電話番号だけではなく、メールアドレス、パスワード、クレジットカード番号、銀行口座番号なども個人情報に含まれる場合があります。
個人情報が流出する主な原因
原因は大きく2つに分かれます。
- 外部からの不正アクセス: サイバー攻撃(不正アクセス、マルウェア感染、ランサムウェアなど)による流出。事故件数の約半数を占めます。
- 内部の人為的ミス: 従業員の誤送信、設定ミス、端末の紛失・盗難などによる流出。
つまり、自分がどんなに気をつけていても、情報を預けている企業や自治体の側で漏洩事故が起きれば、個人情報は流出してしまう可能性があります。
流出した個人情報はどうなる?
流出した個人情報は、闇市場(ダークウェブ)で売買され、「名簿」に載ることがあります。名簿とは、氏名・住所・電話番号・年齢などの情報をリスト化したもので、特殊詐欺グループにとって最も重要なツールのひとつです。
警察庁は、実際に特殊詐欺グループが入手した名簿をもとにターゲットを選定し、電話やメールで接触する手口を確認しています。
個人情報が流出するとどうなる?情報の種類別リスク
では、個人情報が流出したら、具体的にどのような被害が起こりうるのでしょうか。流出した情報の種類によってリスクは異なります。
メールアドレスが流出した場合
- 迷惑メールや詐欺メールが届くようになる
- 他のサービスで同じメールアドレスをIDとして使っている場合、不正ログインを試みられる可能性がある
流出したメールアドレスは業者間で売買され、大量の迷惑メールや詐欺メールの送信先として使われることもあります。
パスワードが流出した場合
- 流出したサービスへの不正ログイン
- 同じパスワードを使いまわしている場合、他のサービスにも芋づる式にログインされる(リスト型攻撃)
- SNSの乗っ取り、なりすまし投稿
パスワードの流出で特に危険なのが「リスト型攻撃」です。1つのサービスから流出したIDとパスワードの組み合わせを、別のサービスで自動的に試行する攻撃手法で、パスワードを使いまわしている人ほど被害が広がります。
クレジットカード情報が流出した場合
- カードの不正利用による金銭被害
- ネット通販での勝手な買い物
氏名・住所・電話番号が流出した場合
- 架空請求や不審な詐欺電話・訪問を受ける
流出した個人情報はどのように詐欺に使われるの?
以下、代表的な3つのパターンを紹介します。
パターン1:詐欺電話(ニセ警察詐欺)
詐欺電話の中でも急増しているのが、警察官になりすます「ニセ警察詐欺」です。名簿で得た氏名や電話番号をもとに、「あなたの口座が犯罪に使われている」などと電話をかけてきます。相手が自分の名前を知っているため、本物の警察だと信じやすくなります。
被害は高齢者だけの問題ではなく、認知件数は20代や30代の間でも増えています。
パターン2:フィッシング詐欺(詐欺メール・偽サイト)
フィッシング詐欺とは、実在の企業(銀行、通販サイト、宅配業者など)を装ったメールやSMSで偽サイトに誘導し、ID・パスワード・クレジットカード番号などを盗み出す手口です。
流出したメールアドレス宛に詐欺メールが届き、偽サイトで情報を入力してしまうと、その情報がさらに悪用される「二次被害」の連鎖が起きます。近年はAIの進化で日本語の文面が自然になり、正規メールとの判別が難しくなっています。
パターン3:訪問詐欺
流出した住所情報をもとに自宅を訪問し、「水道の無料点検」「ガスの安全調査」などを口実に個人情報や金銭を聞き出す手口です。
これらの手口は、警察庁と個人情報保護委員会が制作した啓発動画でも紹介されています。

警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ: https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260304/01.html
動画を見て、日々巧妙化する詐欺の手口への理解を深めましょう。個人情報を守ることが詐欺被害防止につながります。
個人情報の流出を確認する方法
流出しているかどうかを早期に把握することが、被害を防ぐ第一歩です。
個人情報の流出を確認するには、ウイルスバスター チェック!を活用しましょう。
このLINE公式アカウントでは、自分のメールアドレスがインターネット上に流出しているかどうかを調べることができます。
ウイルスバスター チェック!(無料)
流出の通知を受け取ったら
- 何の情報が流出したのかを確認する(メールアドレスだけか、パスワードやカード情報も含むか)
- いつ発生したのかを確認し、その間に不審な動きがなかったか調べる
- パスワードのリセットやカードの再発行など、企業側の対応措置を確認する
通知がなくても注意すべき兆候
- 覚えのないログイン通知やパスワードリセットメールが届く
- 迷惑メールやSMSが急に増える
- クレジットカード明細に覚えのない請求がある
- SNSから身に覚えのない投稿やメッセージが送信されている
流出した情報ごとの対処法
流出が判明したら、情報の種類に応じて速やかに対処しましょう。
| 流出した情報 | 対処法 |
|---|---|
| パスワード | すぐに変更。使いまわしていた全サービスで変更する |
| メールアドレス | 迷惑メールフィルターを強化。パスワードも念のため変更 |
| クレジットカード | カード会社に連絡し、利用停止・再発行 |
| 銀行口座 | 銀行に連絡し口座の利用制限を依頼。被害があれば警察に届出 |
| 氏名・住所・電話番号 | 不審な電話や訪問に警戒。家族にも共有 |
被害にあってしまったときの相談先
- 警察相談専用窓口: #9110
- 消費者ホットライン: 188
- 金融機関: 口座番号やカード番号を伝えてしまった場合は、すぐに利用停止の手続きを
- 個人情報保護委員会: https://www.ppc.go.jp/
通話履歴・メール・SMS・振込明細などの証拠は保存しておきましょう。
被害にあわないための対策
個人情報が流出してしまうと、他の利用中のサービスに悪意のある第三者が不正ログインをする可能性があります。
このような被害のリスクを最小限に抑えるため、普段から次の2つの対策を行っておくことが重要です。
二要素認証(二段階認証)の設定を有効にする
アカウント情報(ID・パスワード)に加えて、携帯端末に認証番号を送信するなどの「二要素認証」を採用しているサービスが増えています。
パスワードだけで認証するよりも安全性が高いため、不正ログインを防ぐために、サービス側が対応しているなら積極的に利用しましょう。
二要素認証の安全性や仕組みをより詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。
【関連記事】
TrendLife | 二段階認証とは?設定方法や二要素認証との違いを解説
複数のサービスで同じパスワードを使いまわさない
同じパスワードを複数のサービスで使いまわしていると、パスワードが盗まれた際に他のサービスでも不正ログインされるリスクがあります。
そのため、パスワードはサービスごとに個別のものを設定しましょう。
推測されにくいパスワードを簡単に作る方法は以下の記事で紹介しています。
【関連記事】
TrendLife | 【簡単3ステップ】安全で覚えやすいパスワードの作り方
また、パスワードを使いまわしていることによるリスクや被害事例を詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。
【関連記事】
TrendLife | パスワードの使いまわしはなぜ危険?対策の重要性を知ろう
個人情報の流出を知ったらすぐに対処をしましょう
いつ流出するかわからないからこそ、「伝えない・対応しない・入力しない」を日頃から意識し、万が一の流出に早く気づける状態にしておくことが大切です。
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